モジュラーロボティクスシステムの実現へ

廃炉に向けたモジュラーロボティクス開発プロジェクト

 概要

廃炉における従来のロボットシステムの多くは、ある特定の目的を果たすために設計される場合が多く、それらのテーラーメード設計が様々な制約をもたらすことがあります。一方モジュラーロボットシステムでは、様々な機能を統合させることで広く柔軟性を確保する事ができ、かつそれぞれを再利用することも可能とします。このようなコンセプトに基づき、我々は様々な既製品ロボット群を使ったモジュラーロボッティックシステムを開発しました。

 アプローチ

本プロジェクトにおいて、廃炉の需要に向けた複雑な機能を発揮するロボティックソリューションを実現することができました。廃炉の困難な要求に応えるべく、複数のロボティックスモジュールを導入。それらをひとつのシステムとして統合し、これをひとつのユーザーインターフェースで操作可能としました。

本ロボティックシステムは、極力操作を単純化することに努め、コントロールルームにはVRシステムを導入しました。

 ソリューション

本システムは、英国Oxfordshire地方に位置するUKAEA(英国原子力公社)のRACE試験場にて実証デモンストレーションが行われました。廃炉環境の評価、廃棄物のプラズマカッティング、廃棄物のキャラクタリゼーションと処分、等の作業が含まれます。

 結論

このプロジェクトを通し、システムが柔軟に変更可能であること、よってそのことで新たな機能を迅速に構築できることに注目が注がれました。実際の現場においてこのようなシステムを導入することで、工期短縮が可能であることが期待されます。

 コスト削減

ロボットは人間に代わり、長時間の作業を可能とし、かつ放射線の被ばく低減が可能です。それに加え、既製品のロボットを利用し、コスト低減も可能とします。機能の拡張も容易であり、さらなる新たな現場適応も可能とします。

 柔軟なソリューション

廃炉環境が未知である場合、環境に柔軟に適応するシステムが求められます。我々のシステムは各システムの入れ替えが可能であり、実作業をより容易にすることが可能です。

 今後の発展

本プロジェクトの終盤において、モジュラーロボティクス開発を目的とした企業を立ち上げました。ヒューマンマシンインターフェース(HMI)も開発目的のひとつとなります。


一覧へ戻る