世界初 極限環境向け放射線センサー接続試験、福島にて開始

三菱重工株式会社との協力により、高い放射線環境に耐えうる新型センサーシステムを開発。福島第一原子力発電所における原子炉格納容器内部調査に向け、全体システムとの接続試験を開始。
世界初 極限環境向け放射線センサー接続試験、福島にて開始

福島第一原子力発電所が2011年の津波で大きな被害を受け、燃料が溶融したとみられる原子炉内の調査の準備が進められています。これまでにクリアテック社(Createc Ltd.)は三菱重工業株式会社との協力により、新型センサーシステム=フューエルファインダー(FFaシステム)を開発してまいりました。この画期的なシステムは、当社独自のN-Visage®技術をベースに、原子炉格納容器内のより高い放射線に耐えうる部品を採用し、設計開発がすすめられました。

以下、弊社チーフニュークリアサイエンティスト、アラン・シッペンのコメントです。

「この過酷な放射線環境においては、どんなに堅牢な放射線測定器でも瞬く間に使えなくなるでしょう。そこで放射線計測と画像処理技術をより過酷な環境に対応させるべく、多くの専用設計に取り組む必要がありました。ガンマカメラセンサー部、ソナー、耐放射線カメラ、ストラクチャーライト等のデータを組み合わせにより原子炉内放射線環境を調査する設計としました。この装置をロボットアームに取り付けることで原子炉格納容器の狭あいな貫通孔を通過、その後リモートにて操作する設計となっております。この困難な福島の廃炉作業において、私たちの技術を通じて貢献できることは、この上もない喜びとなります。」

弊社の技術チームは2022年5月より来日、三菱重工業株式会社様のチームと協力し、福島県双葉郡楢葉町においてまずは受け入れ試験から始まり、FF-aセンサーシステムと他のシステムと接続する(組み合わせ)試験を開始しました。この組み合わせ試験においてようやくFF-aシステムとVNS製ロボットアームとの接続試験が実現。その後、廃炉という大プロジェクトの一角を担う、福島第一原子力発電所・2号機における原子炉格納容器の内部詳細調査用に成功裏に導入するため、システムの動作確認や改善のための試験を繰り返し実施しております。

今回の開発には、経済産業省の補助事業のもと、IRIDのメンバーである三菱重工業株式会社が実施した福島第一原子力発電所の2号機の原子炉格納容器の内部調査に関する研究開発の成果が含まれております。


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